広告というのは結局のところ、
読んだ人を行動させることが大命題だと思うんです。
人が動くにはきっかけがいります。
広告はそのきっかけを作る装置です。
この装置は機能しそうな気がします。
ぼく自身動きたくなりました。
(キャッチ)
忘れない、という防災。
※多くの読み手にとって等身大のメッセージではないでしょうか。
ハードルを上げすぎても参加しづらいですよね。
それに毎年のように春先になるとニュースになりますが、
結局何をすればいいのか分からない。そこでこの提案です。
(ボディ)
あの日、私たちは「いつも通り」という当たり前を失いました。
※「あの日」「私たちは」のフレーズで、
すぐあの日体験した自分の状況を思い出すのではないでしょうか。
ストップした交通機関、真っ暗な道路、繋がらない携帯電話、トイレの大行列。
見たことのない光景が、私たちを不安で包みました。
※想像させるだけではなく、ここでイメージを補完しています。
「そうだった、そうだった」と読み進めます。
そしてここから先が本題。
あの日から、5年が経ちます。
イントロの過去の話から、今の話になりました。
起承転結でいう「転」ですね。
3.11の夜、今なお続く被災地に想いを馳せ、家路を歩いてみませんか。
※具体的な提案です。
あの日を忘れないために。そして、もしもの時に備えるために。
※この行動の目的です。
(おさえ)
3.11は、歩いて帰ろう。
3・11WALK
とても抑制のきいた、いい広告だと思いました。
たとえば寄付や東北への訪問など、
読み手に多くのことを求めすぎても、
ハードルが高すぎてたぶんほとんどの人が行動できない。
でもこの広告は違います。
「忘れない」という最低限の提案なのです。
そのために「歩こう」という促しで締めています。
歩きながら「いろいろ考えてもらうこと」が
目的なのではと思うのですが、
そこにはあまり触れられていません。
メッセージの焦点をどこに合わせるかも大切ですね。
忘れないように、歩こう。
歩けばきっとみんな考えるだろうから。
変にかしこまった広告じゃ、誰も見ない。
かといってカジュアルなのはもちろんダメ。
このトーンバランスも素晴らしいと思いました。
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