2016年2月17日水曜日

忘れないために、歩こう。3.11 WALKの広告



広告というのは結局のところ、

読んだ人を行動させることが大命題だと思うんです。

 

人が動くにはきっかけがいります。

広告はそのきっかけを作る装置です。

 

この装置は機能しそうな気がします。

ぼく自身動きたくなりました。

 

 

(キャッチ)

忘れない、という防災。

 

※多くの読み手にとって等身大のメッセージではないでしょうか。

 ハードルを上げすぎても参加しづらいですよね。

 それに毎年のように春先になるとニュースになりますが、

 結局何をすればいいのか分からない。そこでこの提案です。

 

 

(ボディ)

あの日、私たちは「いつも通り」という当たり前を失いました。

 

※「あの日」「私たちは」のフレーズで、

すぐあの日体験した自分の状況を思い出すのではないでしょうか。

 

 

ストップした交通機関、真っ暗な道路、繋がらない携帯電話、トイレの大行列。

見たことのない光景が、私たちを不安で包みました。

 

※想像させるだけではなく、ここでイメージを補完しています。

 「そうだった、そうだった」と読み進めます。

そしてここから先が本題。

 

 

あの日から、5年が経ちます。

 

イントロの過去の話から、今の話になりました。

起承転結でいう「転」ですね。

 

 

3.11の夜、今なお続く被災地に想いを馳せ、家路を歩いてみませんか。

 

※具体的な提案です。

 

 

あの日を忘れないために。そして、もしもの時に備えるために。

 

※この行動の目的です。

 

 

(おさえ)

3.11は、歩いて帰ろう。

 

311WALK

 

 

とても抑制のきいた、いい広告だと思いました。

 

たとえば寄付や東北への訪問など、

読み手に多くのことを求めすぎても、

ハードルが高すぎてたぶんほとんどの人が行動できない。

 

でもこの広告は違います。

「忘れない」という最低限の提案なのです。

 

そのために「歩こう」という促しで締めています。

 

歩きながら「いろいろ考えてもらうこと」が

目的なのではと思うのですが、

そこにはあまり触れられていません。

 


メッセージの焦点をどこに合わせるかも大切ですね。

忘れないように、歩こう。

歩けばきっとみんな考えるだろうから。
 

変にかしこまった広告じゃ、誰も見ない。

かといってカジュアルなのはもちろんダメ。

 

このトーンバランスも素晴らしいと思いました。

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