一見すると時代遅れの商品も、
表面にとらわれてはいけません。
しっかり商品の価値と向き合えば、
ちゃんと今に通じていることもあるのです。
たとえば、万年筆。
何だか時代遅れ感ありますよね。
今はみんな手紙を書くというよりも
メールやSNSが主流ですし。
ところが、なんです。
文字を書く機会が減っていたとしても、
「誰かに思いを伝える」という点でいえば
むしろ増えている。劇的に。
その点を発見して、
今アウェーの万年筆をアピールした
すばらしい広告を、ひとつ。
(キャッチ)
万年筆は、
メールやブログに
賛成です。
※ どういうこと?と気になって先が知りたくなります。
さらに万年筆が擬人化され、動詞でおわるキャッチに。
動詞は動くというだけあって、文章が強くなります。
(ボディ)
親指を操り、一心に手紙を打つ中学生や高校生。
※ 手紙と同じく「思いを伝える行為」のメールを
「手紙を打つ」と表現しています。やられた!
発見した視点をいちいち理論だてて“せつめい”するのではなく、
感覚的に伝わるコトバにしてズバッとお出しする。すばらしすぎ。
そんな姿を、街で見かけるたびに、私たちは、ほほ笑みたくなるのです。
※
万年筆とメールはややもすると敵対関係で描いてしまいそうですが、
まったく逆であることが分かりますね。
時にうれしそうな、時に真剣な眼差しは、
万年筆やペンを手にしている人の眼差しと同じだ、と。
思いを言葉にすることを楽しんでいる人が、ここにもいる、と。
※ ここが重要な発見ポイントですね。しかも、情景が思い浮かびそう。
ほんの少し前、「活字離れ」が心配されていたこの国で、
毎日、何通もメールという手紙を書き、ブログという日記を書く人が増えている。
※ 個人的に「活字離れ」と直結させるのは少し行き過ぎかな、と思います。
世の中でいってる「活字離れ」とは、教養を育むための「書籍離れ」では。
でも、否定されがちなメールに光をあてる視点は見習いたいです。
「この気持ち、あの人に届くだろうか」「この考え、伝わるだろうか」
迷いながら考えながら、言葉を選び、文章を綴る人たちがいる。
※ ここではもっと具体的に「メール・SNS」と「万年筆・ペン」の
共通点について語られています。
筆記具という道具を90年つくり、書く人たちの隣にいた者として、
そのことが、ただうれしいのです。
※ 前文では「知(理論)」によって共通項が提示されました。
そしてこの文では「情(感情)」によって共通項に喜びを表しています。
忘れてならないのは「筆記具という〜者として」という
発言の根拠を語ることです。これがないと唐突な文章になります。
そして、あなたの言葉を、あなたの文字で、したためなくなった時。
私たちのペンは、伝えようと思います。
その胸の内を、その体温を、言葉にできない大切な何かを。
※ ここで万年筆・ペンにつなげています。
「私たちのペンを使ってください」ではなく、
「私たちのペンは伝えようと思います」です。
※
さらに具体的に「胸の内」「その体温」「言葉にできない大切な何かを」です。
最終的に、言葉以上のものを伝えられる万年筆・ペンの優位性に落ちています。
すごくないですか?
一本のペンがあれば、人は、笑ったり、泣いたりできる。
※ ◯◯があれば、こんなメリットが手に入る。という構図です。
ただメリットの内容がとても情緒的な点も見逃せません。
(おさえ)
書く、を支える。 PILOT
※ パイトッロのすべての事業を一括りにできるショルダーコピーですね。
このコピーで学べるのは、
「商品」の価値を深く理解すること。
「ひと」の行動の奥にある真理を深く理解すること。
商品とひと。両側から穴を掘っていけば、
読み手の心を動かす視点が見つかるのだと思います。
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