ネガティブ訴求の広告は強い。
なぜなら「なんで広告なのにネガなこと言ってんの?」
と読み手を引き込めるからであります。
(キャッチ)
近大へは願書請求
しないでください。
※ 「願書請求してください」という広告なのに、
まったく逆のメッセージです。気になりますよね。
(ボディ)
あ、誤解しないでくださいね。我々はもちろん受験生の皆さんに近大を受けて欲しいんです。
※ すぐさま誤解しないようフォローしています。
さらに、この語調というか口調。読みやすくないですか?
広告って形式は文書だけど、「語りかけ」なんですよね。
欲しいんです前提で、ちょっとだけ、聞いてください。
※ 数ある広告が広告然としているなかでこのトーン。
親しみが湧いて読みたくなります。
この広告が変わっているというより、他の広告がおかしい気がする。
なんで広告になると急にカッコつけたり固くなったりするのでしょう。
近畿大学が昨年用意した願書セットは約13万部。重ねると、あの東京スカイツリー3本分にもなります。
※ ここもサービス精神旺盛というか、書き手も楽しんでるのが伝わってきます。
情報を伝えるときは、具体的に、例えながらすると親切だし、時に楽しい。
しかし。そのうち3万部は、誰の手にも渡らず廃棄されました。
恥ずかしながら、とても多くの紙をムダにしてしまったのです。
※ 一行目が事実。そして二行目が感情ふくめた要約。
つまり、一行目は「知」、二行目は「情」。
いかん、なんとかせな…。そう感じた我々は今年、
インターネットで手続きすると検定料が割引される「近大エコ出願」をスタート。
環境にやさしい受験を広めるため、本気で取り組みをはじめました。
※ はじめに近大の本音がセリフで語られています。
こうしたフレーズがブランドイメージ形成にボディブローのように効きます。
そして、いよいよ商品の登場ですね。
なぜ始めたのか目的もしっかり説明しています。
もし今年の出願でインターネット利用が70%を超えれば、来年には願書発行をゼロにする。
そして、スカイツリー3本分の紙の節約を実現する。それが目標です。
※ 近大はさらに願書発行を取りやめるルールまで伝え、その本気度が伺えます。
ここでも具体的にスカイツリーを用いて説明。イメージしやすく親切。
そして、願書をスカイツリーで例えるというユニークさも感じます。
だから、皆さんにお願いします。近大へは願書請求しないでください。ね。
※ 一周回って、キャッチフレーズにもどりました。ね。
ぜんたいの流れをまとめてみると…
願書請求しないで
↓
受けてはほしいんだけど、
願書セットをすごい廃棄してる
↓
なんとかせなあかん
↓
ネット出願はじめます
↓
ネット出願が70%超えたら
願書やめます、エコのために
↓
だから願書請求しないでね
ただ「ネット出願はじめます」だけではなく、
・近大のユーモアで親しみ感じるブランドイメージ
・読むとちょっと楽しくなるサービス精神
もしっかりアウトプットできている。
広告はこうでなくっちゃ、と思うわけなんです。
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