広告は手紙である。
新成人にむけた伊集院静さんの広告は
毎年、大人が読んでも襟を正したくなる手紙です。
(キャッチ)
一人で歩きなさい。
(ボディ)
成人おめでとう。
今日から大人と言われてもピンとこないだろう。
※ 本音を話して共感を呼ぶ
私もそうだった。大人なんかになりたくないという気持ちと、
大人って何だよ?と半分バカにもしていた。
※ 読み手に仲間意識が芽生える。
しかし歳月は否応なしに私の前を通り過ぎた。
※ ただ時間が経った、というだけでもこの表現!サービス精神!
口惜しかったり、妬んだり、逆上したり、もうダメだとあきらめたり、
怒ったり、半ベソもかいた……ともかく失敗だらけだった。
※ 自分でない不幸話は興味をひく。
それでも何とか生きてこられたのはさまざまな人の生き方に教えられ、
学んだからだ。そのことを今日の機会に話しておこう。
※ 読み手のメリットをこれから話す、という予告。
淋しいだろうが、一人で歩きなさい。孤独を学びなさい。
孤独を知ることは、他人を知ることだ。
※ アドバイス+理由。
苦しいだろうが、自分だけのために生きるな。
そうすれば“品格ある生き方”とは何なのかがわかる。
※ さらに一歩先のアドバイス。そして理由(得られるもの)
人生は自分だけが出世、贅沢をするのが目的ではない。
金で手に入るものなどタカが知れている。
※ その根底にある価値観、考え方を提示。
最後に何より大切なことは、元気で明るい若者でいることだ。
元気に、口惜しがれ。明るく、泣きじゃくれ。
※ 再度、生き方のアドバイス。
少し厳しい話だったが、大人の全てがそうじゃない。
※ 大人がみんな説教くさいと思ってしまうのは偏見だからフォロー。
怒って、泣いて、笑った後で、二十歳の乾杯をしよう。
※ 商品のおとす。
(おさえ)
二十歳の君に乾杯。伊集院静
※ 送り主の名前があると説得力が増す。
逆にいうと送り主が不明確な広告は弱い。
広告でもいい文章と出会える。
いや、広告だからこそいい文章が必要だ。
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