2016年2月19日金曜日

「おいしいって言わずに、おいしいを伝える」ウイスキー山崎の広告


寸分も違わず商品のことを言い当てる。

そしてそれが商品メリットを匂わせる言葉になっている。

 

そんな広告をご紹介します。

 

 

 

(キャッチ)

なにも足さない。

なにも引かない。

 

※ピュアであるという商品特性を、

 ピュアという言葉を使わずに表現しています。

 仮においしいという商品特性ならば、

 おいしいという言葉を使わずに表現するのです。

 すると、言葉は強くなる。

 

 

(ボディ)

モルトは眠っていたのではない。

 

※お酒は樽で眠っているという使い古された例えを否定。

 おや、何だか今までのお酒とちがうぞ。と思わせる。

 

 

十二年間、樽の中で、ひたすら自己を磨いてきたのである。

火の出るような修業を積んできたのである。

 

※眠っていないのであれば、何をしていたのか?

 読み手の疑問にすぐさま答えるセンテンスが続きます。

 

 

なにも足さず。なにも引かず。

ありのまま。そのまま。

 

※歌でいうサビ。突然、前触れなく出てきました。

 こういう時は、短い言葉でパッと出す。

 

 

その無垢の、選ばれたものが奏でる一滴の響きは、

いわばソロであるのだが、

しかし、耳を澄ますと、そこには無数の響きがあるのだ。

ハーモニーがあるのだ。

 

※「なにも足さず、なにも引かず」という左脳メッセージを

 右脳的な感情に訴えるメッセージにひも解いています。

 それってどんないいことがあるのか、具体的に。

 ここでは音楽に例えています。何かに例えるときは

 モチーフを探すのがポイントです。

 

 

不思議なことだが、

それがピュアモルトの魅力というものなのである。

 

※「不思議なことだが」っているのでしょうか。

 答えは、いります。読み手の心にスッと入るだめの潤滑油です。

 

 

 

(おさえ)

日本のウイスキーのふるさと山崎から

サントリーピュアモルトウイスキー山崎

 

※「日本のウイスキーのふるさと」という表現もメタファー、

 つまり例えですよね。

 正しくは、というか、左脳的に表現するなら「ウイスキー発祥の地」。

 より深く訴えかけるために右脳的な表現「ふるさと」としたのですね。

 

 

 

それにしても、音楽のメタファー表現は引き込まれます。

これは広告だけ勉強してちゃ、きっとできない芸当です。

 

小説をよむとか、お酒をのむとか、ですかねやはり。

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