2016年2月8日月曜日

過去の広告はすべて反面教師である、ぐらいの。

今回はわたしの大好きなコピーライター
渡辺潤平さんの作品から。

とにかく、もん〜のすごく分かりやすく
企業のやってることを翻訳した広告です。

「圧倒的にわかりやすく翻訳」系ですね。

これは事業がなんだかふわふわして伝わりにくい…
という場合に有効と思われます。

 

(キャッチ)
絶対、無理。
を学問する。

  この学部で何をやっているのか、
どれだけ価値ある学びなのか、
それが「一瞬にして」伝わってきます。


(ボディ)
宇宙空間から、流星を観測したい。
地球の外にいる生命体を発見したい。
人の立ち入れない現場で活動できるロボットで、
より多くの人を救いたい。

  キャッチが抽象的な反面、ボディですぐに具体的な話で補足しています。
しかも語尾を「〜たい」という願望系とすることで、
学生たちの存在、つまり、人の温度も同時に伝えています。

これらはすべて、千葉工業大学で進行中のプロジェクトである。

  「プロジェクト」というか「学び」というかで、
読み手の印象は大きく変わりますね。
断然、前者のほうが読んだ高校生はワクワクするはず。
  また、1段落目で「〜たい」という語尾を続けたのに対し、
  ここでは「〜である」と、文体をキュッと締めています。


あなたが諦めない限り、この世界に不可能なんて存在しない。

  ここで起承転結の「転」。
「絶対、無理。を学問する」を読み手の立場で解説しはじめます。


絶対に無理だ。
大半の人がそう決めつける物事の中にこそ、
人知を超えた発見がある。
人類の未来がある。

  「絶対、無理。を学問する」の意義、価値を語っています。


私たちはそう考える。あなたは、どうだろう。

  こういう締めって、あまり見ないですよね。
ありがちな構成は、作り手は安心するけど、読まれない。
毎回ゼロから考えないといけません。


(おさえ)
20164月、
工学部
創造工学部
先進工学部がスタート。

千葉工業大学

  ここで具体的な商品がでてきます。
キャッチ・ボディでしっかり興味を持って
もらってから、ようやくの登場、ですね。


この広告を見て思うのは、
過去に習い過ぎてはいけない。ということだと思うんです。

コピー業界は過去の名作を礼賛しすぎる
よくない風習があります。

それって企業にとってもよくない。
クリエイターの未来にとってもよくない。

ゼロから考える、

それがよいこと。

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